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シラノ・ド・ベルジュラック 感想

  5/30に日生劇場シラノ・ド・ベルジュラックを観てきました。 


 たまたまネットで学生当日引き換えのチケットが残っているのを見つけて、都合のいい日が千秋楽で、軽い気持ちで来てごめんなさいと思いつつでした  


日生劇場はたぶん小学生の芸術鑑賞教室みたいなので劇団四季の人間になりたがった猫を観た以来でとても懐かしかった。たぶん初めてプロの舞台を観た時なので。


 開場ぴったりくらいに劇場に着いたら2階席1列目のセンターで4千円しか払ってないのが申し訳ないくらいの席! 客席マダムな感じの人がほとんどだったけど、若い人の多い列で、手すりが視界に入るからかな、でも始まってしまえばほとんど気にならなかった   



二階建てのセットで時には縦横無尽に百人斬り、時には切ないバルコニーのシーン、時には戦場と観ていて楽しく飽きなかった  


よく考えたら当時みたいな衣装と小道具の古典を生で観るの初めてだったかも  



黒木瞳の高貴さすごかった 

一挙一動が本当に優美 女の人の腰から沈み込むみたいなお辞儀(名前なんて言うんだろう)素敵だった  



吉田鋼太郎の演技もあって全体的にコミカルな雰囲気だったけど、シラノがなぜ恋心を打ち明けられないのか、ロクサーヌとクリスチャンが惹かれあっているのか、と終始切なかった 


シラノがクリスチャンの代筆をするのは、詩に対する確かな自信と、容姿のコンプレックスからくるものだから、 シラノが愛をそれこそ叫ぶようなシーンで笑いが起こるのも、笑いが起きることを狙っているのだろうしそういう話なんだろうけど、そこまで見て切なくなってしまった  


中身なのか見た目なのか永遠のテーマだよね 中身でも勝負できると思ってるし見た目にも自信のあるクリスチャンと醜い鼻がコンプレックスで詩と剣の才能は自負しているシラノがいて、ロクサーヌが愛したのは詩から伝わる魂だなんて  



誰のふりをする役ってシェイクスピアでもよくあるけど、そもそも演劇自体が誰かのふりだなと思ったり  



あと、相手を一途に想う姿はおっさんずラブの部長と重なった… 

最終回気になりすぎる 

というのは置いといても、レギュラーの連ドラ撮影しながら主演舞台、しかもほぼ出ずっぱり大立ち回りありなの、本人もカテコでへろへろと言っていたけど本当にすごい  



ラストの舞台の真ん中に立つ大きな樹、落ち葉が散っていくのきれいだった 光とセットと音楽とで空気まで澄んでるように感じられて、 そんな中で、死ぬとわかったら本当のことを伝える勇気が出てきたのも、最期までかっこつけてるのも、シラノは不器用で憎めないキャラクターだなと思った     


思いつきで観に行ったけどとてもよかった 

もっと古典も観に行きたい~