スポットライト

ネタバレしています

i-LIMIT「猫と針」感想

 

 

「猫と針」を観てきました。

9/7お昼の回、平日のお昼の回だけどほとんど埋まってた気がする

 

整理番号で入場なの初めてだったので少しそわそわしてたけど、いい感じに着けてよかったです

近すぎるのも緊張するなと思ったので舞台と同じくらいの高さの真ん中の席に

 

 

 

 

猫と針は恩田陸を片っ端から読んでいた、確か中学生の時に読んで解説か何かでキャラメルボックスのための戯曲だったと知って、キャラメルボックスも大好きなので観たかったなあと思ったものだったので、今回再演と聞いてとてもとても嬉しかった

 

内容はうろ覚えで葬式帰りのありふれた名字の人が集まって話すっていうことしか覚えてなかったんだけど、恩田陸によくある、ひとが集まって話してるところを読むのが好きなので、それが演劇になったらどんな感じなんだろうと思ってた

 

 

 

最初明るくなった舞台に綾さん1人で登場して、それだけで何かあるなって思わせる存在感。同級生の中で1人だけ映画監督になった感。当日パンフにあったこういう役ができるのって綾さんだけ、というの本当だなと思う。すごくよかった。綾さんの話し方ってなんだか暖かくて愛がある感じで好き。でも今回は何か隠してるので、その中にも不穏さがあって、ちょっとした表情の変化まで見えて、その一挙手一投足に何を考えてるのか想像させられて、すごい贅沢だった。

 

 

エリートな阿部さん、明るくてお調子者っぽい畑中さん、ぴったりだった

サンシャイン劇場でバンバン主役を張っている人をこんな近くで観れるってすごい

サトウが足の裏を見せるやつ、あれにきゅんと来ない人いる?って感じだった

 

 

そして石原さん…!石原さんってそんなにたくさん観てるわけじゃないけど、この前のエンジェルボールみたいな主人公の友達ポジションないい奴、ってイメージだったんだけど、ヤマダにもう惹きつけられた。

亡くなった奥さんの話をするヤマダの目にだんだん涙がにじんでいく様子を観た時、背徳感って言葉が浮かんだ

話の内容もそうだけど、見てはいけないものを見てしまったような生々しさだった

高校生の時の恋愛を30代になってもまだどこか残してるような、しかも秘密を共有してる、2人の雰囲気にどきどきした 

 

 

 

距離の近い空間で普段話すみたいな声だったのもあって、本当にリアルな、生々しい会話をそれこそ盗み聞きしてるみたいな感じだった

 

タカハシが記録されてないと実感がもてない、ということを言っていたけど、なにが現実でなにが現実でないのかわからなくなるようなことってどんな感じなんだろう

 

こういう劇を観てぐーっと入り込んだ後は急に自分が1人になった気がして、いつも会ってる人のことを思い浮かべたくなることがあるけどそれと似ているのかな、なんて 

世界とつながっている実感がほしいというか

 

恩田陸の会話を読むのが好きなのもこういうところにあるのかなって思った

 

 

楽しみにしてたけど、それを上回るすごく贅沢な時間でした。またこういうの観たいな