容疑者Xの献身
5/29夜公演を観ました。
初めてのシアター1010。
マルイの中にあるから1010なのね、と気がつきました。センスいいな。
ナッポス先行で取ると毎回前方席で嬉しいのだけど、前は段差がなくて、せっかく近くで見える表情が前の人丸かぶりで見えないことが何回かあったので、なかなか難しい。
容疑者Xの献身自体は、映画も観たし小説も読んでいて、確か中学生の頃だったと思う。こんな愛ってあり?と思ったのと、遺体をバラバラにするシーンをすごく覚えてた。
舞台を観終わって思うのは、花岡靖子がどう思うのかをすごく考えたなということ。
実際ちょっと気持ち悪いだろうな、と思うから。おそらく自分に好意があって、殺人のアリバイ工作を手伝ってくれるって。
話の筋を知っていても息もつかせぬ緊張感で最後まで観させられた。
湯川が靖子に話をする理由を話す時から涙。
真相を知った時靖子がどう思うか、がわからなかったのが石神の最大の誤算なんだ。
別に石神を愛したわけではないと思う。
ただ、石神のした事を知っても幸せになれるほど図太くなかった。
好意があることは知ってて、咄嗟に助けの手をとっただけ。工藤のところに届いた手紙と写真を見せられた時は本当にストーカーだと思っただろうし、石神の最後の指示も守ろうとした。どんな気持ちだったんだろう。
娘は石神がストーカー行為(にみせかけたこと)をしてると知らなかったから、手紙を隠したりしたのか。
あのおじさんを裏切ったらまずいんじゃないの?ってセリフは辛かった。中学生にそんな発想させてしまう状況が。
石神は靖子に好意を持っていたというより、親子に救われていたっていう展開は上手いなと思う。そうでないとどうしても気持ち悪さがぬぐえないから。
工藤との写真を撮ってる時の裏切りじゃないか、みたいな怒りがまったくなかったといえば嘘になるだろうとも思うけど、
富樫と工藤を一人二役にするの、工藤と一緒になっても幸せになれなさそうで、演出が成井さんじゃなかったらなんて絶望的な配役をするんだと思うけど、たぶん違う意図なんだろうな。
筒井さんも多田さんも見たことないような話し方ですごかった。
靖子にそれはできなかったけど、石神にとっては靖子が工藤と幸せになってくれることが願いなのであって、そういう意味では結末に救いがないところはキャラメルには珍しい。でも、人が人を想う気持ちというフレーズが似合いすぎるほどだなと思った。
映画の主題歌だった最愛が好きなので、劇場を出た後に聴いたら、全然映画と関係なくて笑った。強いて言えば湯川と内海のことだと思う人はいるかもしれないけど。
そして、キャラメルボックス活動再開!
うれしい。おめでとうございます!