ワンツーワークス「善悪の彼岸」
善悪の彼岸
11/26に善悪の彼岸@中野ザ・ポケットを観てきました。
私は世界が面白かったのと、多田さんの死刑囚ってどんな感じか見てみたかったので
この舞台を観たからというのでもなくわたしは死刑制度には反対、なぜなら死刑囚を殺さなくてはいけない人がいて、何の罪もない人にそんな重荷を負わせるのはおかしいから、と漠然と思ってた
でも最初に霧島が執行のボタンを押す担当になって震えてる時、仕事を辞めればいいのに、と思った自分もいて、
どうしても辞められない事情も特に描かれていなくて、
誰かがやらなくてはいけないことになっているからそういう話ではないのはわかってるけれど、ここでまず私の認識の軽さを思い知らされた
最後の白根が騒いで暴れたのは霧島のためだと思ったのに、こうして欲しかったんでしょうってそれを明かした、霧島の気持ちが済むようにしなかった理由はなんだろう
真人間になるなんでずるい、と思った、それなら、どうしたら罰になるんだろうってことだ
白根はどうやって粗暴で稚拙な殺人犯から悟りの境地みたいな状態に達したのか
特に往復書簡を読み上げるところは、朗読する時って独特の雰囲気があって、日常の姿とは違うんだろうけど、新興宗教の教祖みたいなぞっとする、でも引き込まれそうな、怖かった
経験と演技というテーマのアフタートークも聞けました
無伴奏ソナタの時も思ったけど、役のまま見てしまって多田さんがこわかったけど、肌しろ!みたいなことも思ったり笑
リアルとリアリティは違うっていう話が面白かった
それこそ絞首刑を目撃した気分にさせられたので
縄が揺れるのを妙に見てしまったり
ビラのデザインが3人がボタンを押す絵だったことに終わってから気がついた
あとは独房のセットがすごかったのだけど、三畳の空間があってやりやすかったみたいなことを多田さんが
奥村さんがなんでずっとこういう社会派のものをやっているのかみたいなことを聞かれていて、こういうものを観に行こうと思うのってどういうことなんだろうなとも考えたり、でした
12/7追記
古城十忍さんってなんかどこかで見たことある名前だなーも思ってたんだけど、パラサイト・パラダイスがワンツーワークスの劇ということがわかってびっくり。脚本のなかなか印象的なト書きがにも納得で興奮してしまいました。中学生の時に接した話と今ちょっと気になる劇団がつながるの、あまり詳しくないだけにすごい。