ドクター・ホフマンのサナトリウム〜カフカ第4の長編〜
11/21夜の回を観てきました、大好きなKAAT
去年観た多部ちゃんのオーランドーが面白かったので多部ちゃんをまた観たいなと思ったのと、ケラリーノサンドロヴィチさんも気になっていたので
カフカ読んだことないし、不条理ものあんまり触れないので楽しめるかちょっと心配だったけど、配られたチラシの中にあった説明で、人間の営みが条理に則ったものなんてはずがない、みたいなことが書いてあったのが腑に落ちて、安心した
中年男性多めな客層で不条理ものが好きな層なのか?と思ったり
肝心の本編ですが、オープニングからめちゃめちゃかっこよかった
プロジェクションマッピングと世界観があってて、わざとだと思うけど、直線でかかれたバミリまでおしゃれに見えてくる
カーヤの物語と遺稿が見つかった現代の物語とカフカ本人の物語の3つの世界が倒錯するつくり、こういうの嫌いな人いるだろうか
この先どうなるのかとハラハラしたり、突然の展開にゾッとしたり、クスッとなったり、よくわからないなりに、色々考えたり息をするのを忘れるくらい集中したり、物語の世界に翻弄されて贅沢な時間だった
ちょっと違うかもだけど、元々恩田陸とかも好きだし、最近スポ根の世界で息をしてたから忘れてたけど、人生にはこういう不条理を浴びるのも必要だなと思った
お目当ての多部ちゃん
オーランドーもそうだったけど、物語の中心でくるくる回るのが似合う人だなあと思う
劇場にいるたくさんの人ひとりひとりに真っ直ぐ届くような声
カーヤはthe主人公って感じの人だったけど、それを地に足ついた人に見せられるから、カーヤの視点で話に入っていけた
瀬戸康史!!!
魅力の塊みたいな人だった…。ラバンとカザの二役かつその2人も態度が急に変わったりしてぞくっとするところのある役の演じ分けもすごかったし、とにかく引き込まれた。中心でぐるぐるしてるのがドーラで、その周りに神出鬼没に現れたり、現れなかったりする人。
近くに上演中飲食したりガサガサしたりするひとがいて気が散るからやめてくれと思ってたけど、この人がカザの時かな、かっこいい…ってつぶやいてて、それは確かにな!かっこいいな!ってなった
それにしてもあの静寂の中で独り言はやめてほしいけど
ちょっと逸れたけど、瀬戸康史、最近パフェのヒロとかまんぷくの神部さんとかなんかずっとドラマに出てない?とは思ってたけど、演技が上手すぎて?あんまり魅力に気がつかれていないのではと思った
たぶんすごく余計なお世話だけど
カーヤがラバンを探し続ける話でもあるので、ラバンに魅力がないといけないわけで、すごかった
あと大倉孝二さんもアンナチュラル観て以来好きなのだけど、ふとデカワンコ出てなかった?みたいな気持ちに
妹と結婚する許しを得た直後に撃たれるのが印象的だった
同じ枠にしていいのかわからないけど、この前丸山智己さんを唐版風の又三郎で観た時も思ったけど、テレビにもよく名脇役ポジで出てくる人を生で観ると素敵すぎてびっくりする
あと知ってたの渡辺いっけいさんと音尾さんくらいだったけど、百戦錬磨ですみたいな人ばっかりで、特に女性陣の得体の知れなさがすごく世界観を作ってた
そして、全ページ袋とじ&袋とじの中は遺稿が見つかった設定という遊び心に惹かれてパンフレットも買いました。
袋とじ開けながら読むの楽しかったし、知らなかったカフカのことも知れてよかったです